古着辞典 > タグの見分け方

三角のロゴマークでおなじみのGUESS(ゲス)。セクシーでスタイリッシュなデニムを得意とするこのブランドは、90年代の古着ブームの再来もあって、近年再び注目を集めている。世代を超えて再評価されているという事実こそが、このブランドの持つ普遍的な魅力を物語っている。タグの色や表記されている創業者の名前を読み解くことで、そのアイテムがおおよそどの年代に作られたのかを推測できることが知られている。この記事では、GUESSのタグに現れる年代のサインを、古着初心者の方にもわかりやすいように整理して紹介していく。現行ラインが当時のデザインを数多く復刻しているブランドだけに、タグの違いを知っておくことが本物のヴィンテージを見分けるうえで欠かせない知識になる。デザインが似ているからこそ、タグという細部にこそ本当の年代が刻まれているという事実を知っておきたい。
GUESSは1981年、南フランスからアメリカへ渡った兄弟によって設立された。異国の地で新たな挑戦を始めるという決断そのものが、後のブランドの独創的なスタイルを形作る第一歩になったと言えるだろう。故郷を離れて挑んだからこそ生まれた、独自の視点がそこにはあった。フレンチシックな感性とアメリカンカジュアルを融合させた独自のスタイルは、当時のファッション界に新しい風を吹き込むことになる。異なる文化を掛け合わせるという発想そのものが、既存の枠組みにとらわれない自由な感性を象徴していたと言えるだろう。ブランドの転機となったのが、フロントに3本のジッパーをあしらった通称「マリリンジーンズ」だ。アメリカの高級百貨店で販売されるやいなや、わずか数時間で完売するという伝説的なヒットを記録し、これがGUESSというブランドの成功を決定づけるきっかけになった。移民として新天地に渡った兄弟が、わずかな期間でこれほどの成功を収めたという事実は、彼らのデザインセンスと市場を見極める嗅覚の鋭さを物語っている。異国の地で一から事業を築き上げるという挑戦そのものが、後のブランドの反骨精神やチャレンジ精神の土台になったとも考えられる。
GUESSを一躍有名にした「マリリンジーンズ」は、股上を浅くしたセクシーなシルエットと、フロントに配された3本のジッパーという斬新なディテールで話題を集めた。当時のデニム市場ではあまり見られなかった女性らしいラインを強調するデザインは、それまでの無骨なジーンズ像を覆すものだった。このモデルの成功をきっかけに、GUESSはセクシーでスタイリッシュなアメリカンカジュアルというブランドイメージを確立し、瞬く間に世界中の若者から支持を集めるブランドへと成長を遂げていくことになる。フランス出身の創業者たちが持つヨーロッパ的な美意識と、アメリカという新天地で見出したデニムという素材が融合したことで生まれたこの一本は、まさにブランドの原点を象徴するアイテムと言えるだろう。

デニムアイテムの後ろポケットなどに付けられている、格子状の模様が入った通称「グリッドタグ」は、ヴィンテージを見分けるための重要な手がかりになる。ひと目でそれとわかる特徴的な意匠であるため、慣れれば遠目からでも判別できるようになる。この地色には赤と緑の二種類が存在し、いずれもヴィンテージ期に使われていたタイプとされている。二色の違いに深い意味の差は無いとされているが、色ごとに異なる展開時期があった可能性も指摘されており、コレクターの間ではこうした細かな違いも話題にのぼることがある。このグリッドタグが付いているかどうかを確認することが、年代判別の出発点になる。格子状のデザインはひと目で気づきやすい特徴でもあるため、古着屋の棚を見渡す際にも、この意匠を探すつもりで見てみると発見が楽しくなるはずだ。
タグやパッチに、創業者兄弟のうちの一人の名前が記載されているかどうかも重要な手がかりだ。この創業者は1993年頃にブランドの経営権を譲渡しており、それ以降のアイテムにはこの名前の表記が見られなくなっていく。当時のブランドを牽引した中心人物の名前がそのまま製品に刻まれていたという事実は、創業期ならではの特別な証と言えるだろう。つまり、この名前が入ったタグは、1993年以前のヴィンテージ期のものである可能性が高いと判断できる。創業者自身の名前がブランドの証としてタグに刻まれていたという事実は、当時のブランドと創業者本人の結びつきの強さを物語っており、この表記が消えていったこと自体が、ブランドの経営体制が新しい時代へと移行していったことを示す象徴的な変化でもある。

デニムアイテムには、通常の品質表示タグとは別に、長方形のブランドタグが縫い付けられていることが多い。グリッドタグが経年で切り取られてしまっている個体でも、この長方形タグが残っていればヴィンテージ品である可能性を判断する材料になる。二つのタグを併用して確認することで、より確度の高い判断ができる。長方形タグはグリッドタグに比べて目立たない位置に付けられていることも多く、見落としがちだが、判断材料としての価値は決して劣らない重要な手がかりだ。
タグに記載される生産国の表記も見逃せないポイントだ。ヴィンテージ期のアイテムにはアメリカやメキシコでの生産を示す表記が多く見られる。この生産国の表記を確認することで、比較的古い時代のアイテムであるかどうかを判断する材料になる。生産拠点が北米大陸内に限られていたこの時期は、まだ生産の海外移転が本格化する前の段階であり、その後の時代になるとアジア諸国を含むより幅広い地域での生産へと移行していく。

タグ以外にも、胸元やポケット部分に施された三角ロゴの刺繍や、ボタンの形状も年代判別の補助的な手がかりになる。装飾性の高い刺繍ロゴや、特定の形状をしたボタンが使われている個体は、当時ならではのディテールとしてコレクターの間で評価されている。三角形というシンプルな図形でありながら、これほど強い視覚的インパクトを持つロゴマークは珍しく、書体や配置の違いだけでも印象がガラリと変わるため、細部まで見比べる価値がある部分だ。

| 時期の目安 | タグの通称 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1980年代 | 初期ヴィンテージ期 | 創業者名の表記あり。アメリカ製が中心。マリリンジーンズの大ヒットの時代 |
| 1990年代前半 | グリッドタグ(赤・緑)期 | 創業者名の表記が続く。グリッドタグと長方形ブランドタグを併用 |
| 1993年〜1994年頃 | 経営権移行期 | 創業者の一人が経営権を譲渡。以降タグから名前表記が消えていく |
| 1990年代後半 | 移行期タグ | グリッドタグが徐々に姿を消し、シンプルな表記のタグへ移行 |
| 2000年代以降 | 現行系タグ | 90年代デザインの復刻ラインが登場。タグは現行仕様で区別される |

実物を確認する際は、まずグリッドタグの有無とその地色を見て大まかな時代帯を絞り込む。この最初のステップだけでもかなり時代を絞り込めるため、慣れないうちはここから確認を始めるとよい。次に創業者名の表記があるかを確認し、続いて長方形のブランドタグの有無を見る。そのうえで生産国の表記を確認し、最後に三角ロゴの刺繍やボタンの形状を見て、これまでの情報と矛盾がないかを突き合わせるという順序で進めると判断がしやすい。

90年代の人気を受けて、現行のGUESSは当時のデザインを再現した復刻アイテムを数多く展開している。デザインが同じように見えても、タグは決して同じではないという点に注意したい。生産国の表記や創業者名の有無、グリッドタグの質感まで確認することで、当時のヴィンテージ品なのか、後年の復刻品なのかを見分けることができる。復刻ラインはデザインの再現度が高い分、パッと見の印象だけで判断すると見誤りやすいため、必ずタグの細部まで確認する慎重さが求められる。当時のオリジナルには経年による独特の風合いも加わっているため、生地の質感とあわせて確認することで、より確実な判断につながる。

オンラインで購入を検討する場合は、グリッドタグの写真だけでなく、長方形のブランドタグや創業者名の表記部分を接写した写真もあわせて依頼するのがおすすめだ。実店舗で確認する場合も、タグをめくって生産国の表記まで確認する習慣をつけておくと、判断材料が格段に増える。あわせて、デニム生地の色落ちの表情や、刺繍の密度、金具の刻印といった全体の質感も見ておくと、タグの情報だけに頼らない総合的な判断ができるようになる。とくにヴィンテージ期のデニムは、現行の生地には見られない独特の色落ちの深みがあるとされ、この質感の違いを見比べる楽しみもヴィンテージならではだ。

A. ヴィンテージ期にのみ使われていたデザインであり、このタグの有無がヴィンテージかどうかを判断する大きな手がかりになるためだ。
A. その可能性が高い。1993年頃に経営権が譲渡されて以降、タグから創業者名の表記が徐々に見られなくなっていったとされている。
A. デザインが似ていてもタグの内容までは同じではないことが多い。生産国表記や創業者名の有無、タグの質感まで含めて総合的に確認することが大切だ。
A. どちらもヴィンテージ期に見られる生産国であるため、この二つだけで年代を断定するのは難しい。タグのデザインとあわせて確認するのが望ましい。
ヴィンテージ市場でGUESSのアイテムに価格差が生まれるのは、単に古いか新しいかという単純な話だけではない。使用期間が短かった希少なタグデザインや、当時の生地の質感、刺繍の丁寧さといった要素が組み合わさることで、コレクターの間での評価が変わってくる。フレンチシックとアメリカンカジュアルを融合させたブランドだからこそ、タグから読み取れる情報は単なる「年式」以上に、そのアイテムがどのような時代のファッションシーンを彩っていたのかを知る手がかりでもある。当時の熱狂を知る世代にとって、グリッドタグの色を確認するという行為そのものが、青春時代の記憶を呼び覚ますひとときになるかもしれない。

GUESSのタグから年代を読み解くには、グリッドタグの色、創業者名の表記の有無、長方形のブランドタグの有無、生産国の表記、三角ロゴの刺繍とタックボタンという複数の要素を組み合わせて確認していくことが欠かせない。現行ラインが当時のデザインを数多く復刻しているブランドだからこそ、タグの変遷を知っているかどうかで、本物のヴィンテージを見分ける精度がぐっと上がる。ひとつずつ着眼点を確認しながら、自分の手元にある一着の背景を紐解いていってほしい。見た目のシルエットだけでは判断がつきにくいからこそ、タグという小さな部分に宿る情報の価値がより一層高まる、そんなブランドと言えるだろう。
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